アガリクスの栽培 第2回みなさま、こんにちは! 前回は『種菌』の重要さと管理について述べました。 第2回は『培地』についてご説明したいと思います。 キノコは栄養要求性の観点からふたつの種類に分けられます。 ① 菌根性菌(マツタケ、ホンシメジ、ヤマドリタケなど) ② 腐朽性菌(シイタケ、エノキタケ、マッシュルームなど)
なお少し話を戻して、『アガリクス』という名称ですが、厳密に言えば『ハラタケ科ハラタケ属』のキノコ全般を指しますので、私たちが呼ぶAgaricus blazei Murrillもこの仲間です。ほかに代表的なキノコは世界で最も栽培量・消費量ともに多いマッシュルームが挙げられます。 アガリクスに限らず、キノコ栽培において栽培に用いる培地原料は品質管理という面から非常に重要です。 それというのも、キノコは生育する樹木なり、土壌なりの成分を吸収する性質があるからです。旬の季節に野生キノコの採取を楽しみ、はっきりと毒性がないことが分かっている食用キノコを何本か食べる程度ならそれほど神経質にならなくてもよいのですが、常食するなら別です。 私たちが特に注意するのは重金属類と残留農薬です。 栽培工程で農薬(薬品類)を使用しないのは当然だとしても、原料に農薬が含まれているというようなことでは失格です。 アガリクスの栽培方法にはマッシュルーム栽培に準じた『堆肥栽培』やいろいろな原料を配合した培地を高温高圧滅菌して行う狭義の『菌床栽培』などがあります。 しかし、いずれの方法による栽培でも最終産物であるアガリクスの品質を安全に維持するためには、培地の安全性が担保されなければなりません。 以下に培地の重金属類と残留農薬の分析結果の一例を示します。 表1.培地の重金属類分析![]() 表2.培地の残留農薬分析![]() いずれも「検出限界未満」「検出されず」でなければ培地として使用しません。
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